中国語の連動文とは、1つの主語に対して2つ以上の動詞( フレーズ) を連ね、前後して起こる動作、またはある動作の手段や目的などを表す文を「連動文」と言います。
日本語にも「映画を見に行く」というように複数の動詞からなる文章はあります。
ですが、中国語との違いは日本語が目的となる動詞(映画を見に)が前に来るのに対し、中国語では必ず動作の発生順に「行く+映画を見に」と言う語順になります。
我 去 看电影。
日本語とは動詞の並べ方が違いますので、連動文の使い方に付いて解説します。
動文の基本特徴
1. 語順は動作の発生順
我去看电影。
---私は映画を見に行きます。
※「行く(去)」という動作が先に発生し、その後「映画を見る(看电影)」という動作が続く。
2. 助詞を使わずに動詞を連ねる
日本語では「~して」「~しに」のような助詞を使いますが、中国語では助詞を省略し、動詞をそのまま並べます。
1.裸の動詞が並ぶ「去」と「来」
動詞が直接並び、主語が一貫して動作を行います。特に「去」「来」は頻出です。
我去玩儿。
---私は遊びに行きます。
我们去看棒球比赛。
---私たちは野球を見に行きます。
他们来吃晚饭。
---彼らは夕食を食べにきます。
2.一方の動詞句が「了」や「着」を伴うもの
ある動作が完了したり進行していることを示します。
我们把牛肉炒了吃了吧。
---牛肉を痛めてから食べよう。
我去银行取钱了。
---銀行に行ってお金をおろした。
我们走着去超市吧。
---歩いてスーパーに行こう。
在书店站着看书的人有很多。
---本屋さんには立ったまま本を見る人がたくさんいる。
3.一方の動詞句が重ね型のもの
動作の試行や軽いニュアンスを表します。
我想吃吃看外国料理。
---外国の料理をちょっと食べてみたい。
试试看这个商品吧。
---この商品を試してみたらどうですか。
她笑笑说了。
---彼女は笑いながら話しました。
4.目的語を伴うもの
動作の対象が明確になる場合に使います。
她坐飞机去东京。
---彼女は飛行機に乗って東京に行きます。
我开车去公司。
---私は車で会社に行きます。
请不要开着灯睡觉。
---電気をつけたまま寝ないでください。
我去车站接朋友。
---車で友達を迎えに行きます。
我去银行换钱。
---銀行にお金を両替に行きます。
5.前後して起こる動作を表すもの
動作が順序よく起こる場合に使います。
我买饺子吃。
---餃子を買って食べます。
所以今天很热,我买汽水喝了。
---今日はとても暑かったので、サイダーを買って飲みました。
我买点心吃了。
---お菓子を買って食べました。
6.後の動詞句が前の動詞句の目的を表すもの
後の動作が目的であることを表現します。
我去机场接朋友。
---空港に友達を迎えに行きます。
我去图书馆看书。
---図書館に本を見に行きます。
我去医院看病。
---病院に行って診察してもらう。
明天我要去北京出差。
---明日北京に出張に行きます。
明天我去他家玩儿。
---明日彼の家に遊びに行きます。
7.前の動詞句が後の動詞句の手段・方法・方式を現わすもの
どのように目的を達成するかを説明します。
我骑自行车去那儿。
---私は自転車に乗ってそこに行きます。
我坐电车去东京了。
---私は電車に乗って東京に行きました。
我每天开车去工作。
---私は毎日車で会社に行きます。
8.肯定と否定を並べてある事実を説明する。
一つの文で対照的な動作を示し、強調を作ります。
她紧握朋友的手不放。
---彼女は友達の手をしっかり握って放しません。
我不去东京玩儿。
---私は東京に遊びに行きませんでした。
她说话不过脑袋。
----彼女は不注意な発言をする。
9.後の動詞句が前の動詞句を修飾するもの
前の動作に対して後の動作が補足的な意味を与えます。
今天我没有时间吃午饭。
---今日私は昼飯を食べる時間がありませんでした。
我有件事跟你商量。
---私はあなたと相談したりいことがあます。
虽然我想买手机,但是没有钱买。
---私は携帯を買いたいのですが、お金がありせん。
10. 動作の原因・結果を表すもの
このタイプの連動文は、前の動詞句が原因やきっかけを示し、後ろの動詞句がその結果を示します。
他笑得流眼泪。
---彼は笑いすぎて涙を流しました。
※「笑う(笑)」が原因で、「涙を流す(流眼泪)」が結果となっています。
我饿得头晕。
---私はお腹が空きすぎて頭がクラクラしました。
他累得说不出话。
---彼は疲れすぎて話すことができませんでした。
11. 条件や仮定を表すもの
このタイプは、ある動作が他の動作を条件として成り立つ場合に使われます。
你先把作业做完,再去玩儿。
---まず宿題を終わらせて、それから遊びに行きなさい。
※「宿題を終わらせる(做完)」が条件となり、「遊びに行く(去玩儿)」がその後の行動を示しています。
等我吃完饭,我们就去。
---私が食事を終えたら、私たちはすぐに行きます。
如果天气好,我们去爬山。
---もし天気が良ければ、私たちは山登りに行きます。
12. 意図・願望を表すもの
この連動文は、主語が意図的に行動を起こす場合に使います。
我跑步去拿快递。
---私は急いで荷物を取りに行きます。
※「走る(跑步)」という意図的な手段を使い、「荷物を取る(拿快递)」という目的を達成します。
他特地开车来接你。
---彼はわざわざ車を運転してあなたを迎えに来ました。
她努力学习为了考上大学。
---彼女は大学に合格するために一生懸命勉強しています。
13. 動作が連続している場合
このタイプは、連続して起こる動作を表します。時間的な間隔がほとんどなく、自然な流れを示します。
他拿起书看。
---彼は本を手に取って読みます。
※「手に取る(拿起)」と「読む(看)」が連続した動作です。
我打开电脑开始工作。
---私はパソコンを開いて仕事を始めます。
他们走进教室坐下。
---彼らは教室に入って座ります。
14. 推測や可能性を含む連動文
動詞が並ぶことで、推測や可能性を表す場合があります。
他可能去超市买东西了。
---彼はスーパーに買い物に行ったかもしれません。
你会不会去图书馆学习?。
---あなたは図書館に勉強しに行きますか?
我应该去医院看病。
---私は病院に診察に行くべきです。
語順による意味の違い
中国語では語順が意味を決定します。語順を間違えると、意図した意味と異なる表現になります。
我开车去家了。
---私は車で家へ帰りました。
我去家开车了。
---私は家に帰って車に乗りました。
日本語では、「てにをはを」変更する事で「私は車で家に帰りました。」「私は家に車で帰りました。」と同じ意味を現わす事ができます。
この辺りが中国語と日本語の違いでもありますので、中国語では語順の間違いはとても危険です。
中国語の連動文は、構造によってさらに多くの表現が可能です。
動作の原因や結果、条件、意図、連続性などの幅広い文脈で使われるため、各構造の特徴を理解することが重要です。
また、語順が意味を決定するため、誤った語順はコミュニケーションの誤解につながります。
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