中国語で全面否定する時の言い回しについて解説します。
「1つも,まったく,何も,誰も,どこも~ない」などという全面的に否定を表す表現方法です。
中国語で全面否定する言い回し
中国語では、「一」「一点儿」「什么」などを使った全面否定表現がよく用いられます。
特に、「也」「都」と組み合わせることで否定の強調を行います。
これらの表現は、丁寧さや文脈によって使い分ける必要があります。
「一+量子/疑問代名詞」+「也/都」+「不/没」
「一」+量詞+「也/都」+「不/没」
この言い回しは、「连~也/都」の言い回しに、「一」が入り、「连」が省略された形です。
このパターンは、物や人、行為の一切を否定する際に使用します。
你都不知道,一个人也不会知道。
---あなたが知らないのに、だれも知ってしる訳が無い。
时间还早,一个人都没来。
---時間がまだ早いから、だれも来ていない。
这个地方我一次也没去过。
---·ここに私は一度も来た事が無い。
一个字也没写。
---一文字も書いていない。
一分都没花。
---1円も使っていない。
一个机会也没给我。
---一度もチャンスを与えてくれなかった。
「一点儿」+「也/都」+「不/没」
少量や少しもないことを強調したい場合に適しています。
今天一点儿不热。
---今日は少しも熱くない。
我一点儿都不累。
---私は少しも疲れていません。
我都忘了,一点儿影儿也没有。
---すっかり忘れて、何の印象も残っていない。
她走后一点儿音信都没有。
---彼女は出かけた後何の連絡もない。
一点儿都不错。
---なんのな違いも無い。
你一点儿都不理解我。
---あなたは私の事を全く理解していない。
一点儿也不能动弹了。
---全く動けなくなった。
一点儿也不费事。
---全く面倒ではありません。
这里一点儿声音都没有。
---ここでは全く音がしない。
我一点儿也不担心。
---私は少しも心配していない。
她一点儿也不好奇。
---彼女は少しも好奇心を持っていない。
疑問代名詞+「也/都」+「不/没」
この疑問詞の使用方法は、「疑問代名詞の非疑問用法」と呼ばれています。
疑問代名詞を使用して、全てを否定することができます。
我什么也听不见。
---私は何も聞こえません。
谁也不在家。
---誰も家にはいません。
谁也不知道未来是怎么样的。
---誰にも未来は分かりません。
谁都没有帮助我。
---誰も私を助けてくれない。
谁都没见到吗?
---誰にも合っていないですか?
什么都没有。
---何もありません。
今天什么都没有吃。
---今日は何も食べていません。
什么也做不了。
---何もできなかった。
我什么也想不起来。
---何も思いつかなかった。
哪儿也找不到。
---何も見つからなかった。
昨年的黄金周哪儿都没能去玩儿。
---去年のゴールデンウイークはどこにも遊びに行けなかった。
什么时候都不能放弃。
---どんな時でも諦めてはいけない。
哪个人都没有意见。
---どの人も意見がない。
她哪里也不想去。
---彼女はどこにも行きたくない。
这件事情谁也帮不了。
---この件は誰にも助けられない。
「一+量詞+也/都+不/没」と「疑問代名詞+也/都+不/没」の違い
この2つの表現はどちらも全面否定を表しますが、焦点となる内容が異なります。
それぞれの違いと使い分けを具体例を交えながら説明します。
1. 「一+量詞+也/都+不/没」:数量や特定の対象を否定する
この表現は、「1つの例外もない」というニュアンスを強調し、具体的な数量や対象を全面的に否定する際に使われます。
他一个朋友也没有。
---彼には友達が一人もいない。
※「一个朋友」=特定の数値としての「1人の友達」を強調して否定。
我们一天都没休息。
---私たちは一日も休んでいない。
※「一天」=具体的な1日を単位に全面否定。
2. 「疑問代名詞+也/都+不/没」:漠然とした対象全体を否定する
この表現は、「あらゆる可能性を含めて何もない」ことを表し、特定の対象を限定せずに否定します。
他什么也没说。
---彼は何も言わなかった。
※「什么」=「何も」を漠然と否定。
哪里都不对。
---どこも正しくない。
※「哪里」=特定の場所を限定せず、全てを否定。
谁都不知道他去了哪里。
---誰も彼がどこに行ったか知らない。
※「谁」=全ての人を対象として否定。
違いのまとめと使い分け
「一+量詞」は数量や対象を限定し、それが全く存在しないことを否定します。
「疑問代名詞」は具体的な数量や対象を指定せず、広範囲の可能性を全否定します。
全面否定のニュアンスと強調表現
1. 「连~也/都+不/没」
「连~也/都+不/没」は、通常では当然含まれるはずの要素を特に強調して否定します。
连他自己都不知道。
---彼自身でさえ分からない。
※「连」=最も可能性の高い「彼自身」でさえ否定。
2. 「一点儿」+「也/都」+「不/没」
「一点儿」は「少量も」というニュアンスがあり、わずかな量すら存在しないことを強調します。
一点儿水也没有。
---少しの水もない。
注意すべきポイント
1. 「不」と「没」の使い分け
「不」は現在・未来を否定し、「没」は過去の出来事や存在を否定します。
我一点儿也不想吃。
---私は少しも食べたくない(未来)。
我一点儿都没吃。
---私は少しも食べていない(過去)。
2. 語調のニュアンス
「都」を使う場合、より強い全面否定を感じさせます。
「也」は柔らかいニュアンスで使われることが多いです。
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