60代からの中国語マスター方法

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给の8つの使い方~その2

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给

使用場面に応じたニュアンスの解説

」を使った8つの構文は、それぞれの使い方に応じて適切な使用場面があり、ニュアンスが異なります。

これを理解することで、より自然で効果的な表現が可能になります。

以下では、各構文における使用場面とニュアンスを詳しく解説します。

1. 目的語として「~に」を表す

使用場面

日常会話や簡単なやり取りで使われる非常に一般的な表現。
動作の受け手(「誰に」)を明示したい場合に適切です。

ニュアンス

この構文は動作の「目的語(受け手)」を補足的に示すだけであり、動作自体の内容(動詞の意味)に焦点が当たっています。

我给你一本书Wǒ gěi nǐ yī běn shū
---私はあなたに本を一冊あげます。
※ここでは「本をあげる」という動作が重要で、「誰に」は補足的です。

2. 与える・提供する

使用場面

行為自体が重要な場合に使われます。特に、具体的な物品や情報、サービスを提供するときに適切です。

ニュアンス

この構文では「与える」「提供する」という動作の完了や、受け手が実際に受け取った事実が強調されます。

他给了我们很多帮助Tā gěile wǒmen hěn duō bāngzhù
---彼は私たちにたくさんの助けを与えてくれました。
※助けを「与えた」という行為が強調されています。

対比ポイント

「目的語として『~に』」構文との違いは、動作自体の完了や提供の意図がはっきりと示される点です。

3. 使役表現「~させる」

使用場面

他者に何かをさせる、または誰かに代わって行動をしてもらう場面で使われます。
例えば、依頼や指示、職場での役割分担などに適しています。

ニュアンス

「使う」「させる」という意味が含まれ、行為を実行する主体が話者ではないことを示します。

妈妈给孩子写作业Māma gěi háizi xiě zuòyè
---お母さんが子供のために宿題を書いてあげました。
※「子供に宿題を書かせる」のではなく、「お母さんが代わりに行った」ことが伝わります。

文化的背景

中国では家族間や友人間で、こうした「代行の依頼」をすることがよくあります。

4. 「~のために」

使用場面

誰かのために特定の行為を行うときに使われます。
親しい関係や依頼された場合に適切で、日常生活でよく使われます。

ニュアンス

「~のために」という目的や恩恵を強調します。受益者(恩恵を受ける人)が行為の中心に位置します。

他给我修好了电脑Tā gěi wǒ xiūhǎo le diànnǎo
---彼は私のためにパソコンを修理してくれました。
※「修理」という行為が、話者(私)の利益を目的として行われています。

5. 受け身表現(被構文)

使用場面

フォーマルな場面や、動作の被害や影響を客観的に伝えたい場合に使われます。
特に書き言葉で多用されます。

ニュアンス

「被構文」は受動的な状況を示し、動作の影響を受けた側に焦点を当てます。しばしばネガティブなニュアンスがあります。

麻雀被小猫吃了Má què bèi xiǎo māo chī le
---麻雀は小猫に食べられました。
※「被」は、麻雀が被害を受けたという事実を強調しています。

注意点

被構文はポジティブな状況ではあまり使われません(例: 「褒められる」などの場合でも他の表現を選ぶことが多い)。

6. 受け身表現(给構文)

使用場面

カジュアルな日常会話で多用される受け身表現です。
書き言葉よりも話し言葉で適しています。

ニュアンス

被構文ほどの硬さはなく、ニュートラルまたは柔らかい表現が求められる場面に向いています。

麻雀给小猫吃了Má què gěi xiǎo māo chī le
---麻雀は小猫に食べられました。
※「给」は、動作を受けた事実を自然に伝えています。

7. 強調表現「~してしまう」

使用場面

行為の結果や影響を強調したい場面で使われます。特に、問題解決や結果が重要な場合に適切です。

ニュアンス

行為が徹底され、その結果が重要であることを示します。

他把书给撕破了Tā bǎ shū gěi sī pò le
---彼は本を破ってしまいました。
※「給」によって「破った」という動作が強調されています。

補足

この構文は話者の感情を伴うことが多く、特に驚きや不満を表すことに適しています。

8. バ構文(把構文)

使用場面

目的語を強調したい場合に使われます。動作の結果や、行為がどのように影響したかを強調したいときに適切です。

ニュアンス

「把構文」は、動作の対象がどのように扱われたかを特に強調します。

小猫把麻雀给吃了Xiǎo māo bǎ má què gěi chī le
---小猫は麻雀を食べました。
※「把」によって麻雀(動作の対象)が中心となっています。

注意点

バ構文は語順が固定されており、目的語が具体的であることが求められます。

まとめ

1.フォーマル vs カジュアル
「被構文」はフォーマル、「给構文」はカジュアル。

2.動作の焦点
「目的語として『~に』」や「与える」は行為自体に焦点があり、「バ構文」や「強調表現」は動作の対象や結果を強調します。

3.日常 vs 特別
日常的な会話では「给構文」や「強調表現」が自然で、フォーマルな文章では「被構文」や「~のために」が多用されます。

具体的な文脈や使用場面に合わせて選ぶことが、自然な表現の鍵となります!

構文の違いを視覚的に解説

1. 目的語として「~に」を表す

構文

主語 + 给 + 目的語(人)+ 動詞 + 他の目的語

例文

一本 Wǒ gěi tā yī běn shū
---私は彼に本を一冊あげます。

語順図

主語(動作を行う人) → 给 → 目的語(人) → 動詞 → 他の目的語
我 给 他 一本 书

ニュアンス

この構文は、動作の受け手を示します。行為そのもの(例: あげる、渡す)が中心で、「誰に」行われたかが補足的に示されています。

2. 与える・提供する

構文

主語 + 给 + 目的語(人)+ 他の目的語

例文

给了 我们 很多 帮助Tā gěile wǒmen hěn duō bāngzhù
---彼は私たちにたくさんの助けを与えてくれました。

語順図

主語(行動者) → 给 → 目的語(人) → 他の目的語
他 给 我们 很多帮助

ニュアンス

「与える」という行為が強調され、動作が完了したことを示します。

3. 使役表現「~させる」

構文

主語 + 给 + 目的語(人)+ 動詞 + 他の目的語

例文

妈妈孩子 写了 作业Māma gěi háizi xiěle zuòyè
---お母さんが子供に宿題を書かせました。

語順図

主語(行動者) → 给 → 目的語(受益者) → 動詞 → 他の目的語
妈妈 给 孩子 写了 作业

ニュアンス

行動を依頼したり、指示したことを示します。「~の代わりに行った」というニュアンスが含まれる場合もあります。

4. 「~のために」

構文

主語 + 给 + 目的語(人)+ 動詞 + 他の目的語

例文

修好了 电脑Tā gěi wǒ xiūhǎo le diànnǎo
---彼は私のためにパソコンを修理してくれました。

語順図

主語(行動者) → 给 → 恩恵を受ける人 → 動詞 → 他の目的語
他 给 我 修好了 电脑

ニュアンス

「誰のために」が中心で、動作の目的や恩恵を強調します。

5. 受け身表現(被構文)

構文

主語 + 被 + 行為者 + 動詞 + 他の目的語

例文

钱包小偷 偷了Qiánbāo bèi xiǎotōu tōu le
---財布は泥棒に盗まれました。

語順図

主語(影響を受けたもの) → 被 → 行為者 → 動詞 → 他の目的語
钱包 被 小偷 偷了

ニュアンス

被構文はフォーマルな受け身表現で、被害や影響を受けた事実を強調します。

6. 受け身表現(给構文)

構文

主語 + 给 + 行為者 + 動詞 + 他の目的語

例文

钱包小偷 偷了Qiánbāo gěi xiǎotōu tōu le
---財布が泥棒に盗まれました。

語順図

主語(影響を受けたもの) → 给 → 行為者 → 動詞 → 他の目的語
钱包 给 小偷 偷了

ニュアンス

被構文よりカジュアルで、日常会話に向いています。

7. 強調表現「~してしまう」

構文

主語 + 把 + 目的語 + 给 + 動詞

例文

给 撕破了Tā bǎ shū gěi sī pò le
---彼は本を破ってしまいました。

語順図

主語(行動者) → 把 → 動作の対象 → 给 → 動詞
他 把 书 给 撕破了

ニュアンス

動作の結果や徹底を強調します。

8. バ構文(把構文)

構文

主語 + 把 + 目的語 + 动词 + 他の目的語

例文

给了 Wǒ bǎ shū gěile tā
---私は本を彼に渡しました。

語順図

主語(行動者) → 把 → 動作の対象 → 动词 → 他の目的語
我 把 书 给了 他

ニュアンス

動作の対象(目的語)が強調され、その結果が重要視されます。

練習問題

1. 空欄補充

次の文の空欄に適切な語句を入れて、意味が通る文を完成させてください。

  1. 妈妈 ___ 孩子买了一个玩具。
  2. 我 ___ 老师写了一封信。
  3. 他把钱包 ___ 小偷偷了。
  4. 你 ___ 他帮了什么忙?
  5. 我的书被 ___ 借走了。

2. 日本語から中国語に翻訳

次の日本語を中国語に翻訳してください。

  1. 私は弟のためにご飯を作りました。
  2. 彼女は私にこの本を渡してくれました。
  3. 友達は私たちのために写真を撮りました。
  4. 財布が泥棒に盗まれました。
  5. 彼は宿題を子供にやらせました。

模範解答

1. 空欄補充

  1. 妈妈 孩子买了一个玩具。
    ---お母さんは子供におもちゃを買いました。
  2. 老师写了一封信。
    ---私は先生に手紙を書きました。
  3. 他把钱包 小偷偷了。
    ---彼は財布を泥棒に盗まれました。
  4. 他帮了什么忙?
    ---あなたは彼にどんな助けをしましたか?
  5. 我的书被 借走了。
    ---私の本は誰かに借りられました。

2. 日本語から中国語に翻訳

  1. 我给弟弟做了饭。
    ---私は弟のためにご飯を作りました。
  2. 她给了我这本书。
    ---彼女は私にこの本を渡してくれました。
  3. 朋友给我们拍了照片。
    ---友達は私たちのために写真を撮りました。
  4. 钱包被小偷偷了。
    ---財布が泥棒に盗まれました。
  5. 他给孩子布置了作业。
    ---彼は子供に宿題をやらせました。

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