中国語の「把構文」は、そのあとに目的語を伴い、その目的語をどう処理した(するか)を表現する文です。
述語動詞はその結果やどうしたいかを現わす形で使用しなければいけません。
慣れるまで大変ですが、良く使用する文ですのでその使い方をしっかりと勉強しましょう。
把構文
「把構文」とは動詞の前に話者が共通で認識している目的語を「把+目的語」の形で入れ、その目的語が述語動詞でどうなったかを説明する文型です。
目的語に焦点が置かれて、その目的語がどうなったかを説明する文ですので「処置文」とも呼ばれています。
把+目的語+述語動詞
述語動詞の部分は、目的語がどうなったかを説明しなければいけませんので動詞単体では文が成り立ちません。
ですので、補語や動量詞,動詞の重ね型などにする必要があります。
我喜欢苹果。〇
我把苹果喜欢。✖
上記の文では、「リンゴが好き」と言う文で、そのリンゴがどうなったのかを説明していませんので、「把構文」では使用できません。
把構文に使用できない動詞
・目的語を取らない自動詞
「哭」「工作」「旅行」「休息」「走」「跑」など
・気持ちを現わす動詞
「希望」「知道」「喜欢」「希望」「感动」など
・動作の無い動詞。
「是」「有」「像」「在」など
・方向動詞
「来」「去」「上」「下」「进」「出」「回」など
把構文の例文
把構文は大きく分けて下記の3つの形で使われます。
1.特定される物がどう処理されたか
他把那个问题处理好了。
---彼はその問題を上手に処理しました。
他+把+那个问题+处理+好了
主語+把+特定された目的語+動詞+処理
2.人にお願いする文章
请把电脑放在桌子上。
---パソコンを机の上に置いてくれませんか。
请+把+电脑+放在+桌子上。
お願い+把+主語+動詞+目的の場所
3.うっかりミスの文章
我把我的钱包忘在餐厅了。
---財布をホテルに忘れてきちゃった。
我+把+我的钱包+忘+在餐厅了
主語+把+目的語+動詞+動作の場所
例文
你把护照拿出来吧。
---あなたのパスポートを取り出して下さい。
♠「拿出来」持って取り出す。
我把作业做完了。
---私は宿題を終えました。
我把钥匙忘在家里了。
---鍵を家に忘れてきちゃった。
我把钱跑晚在加里了。
---財布を家に忘れてきちゃった。
我把钱包忘在餐厅了。
---私はお財布にホテルに忘れてきちゃった。
请把电脑放在桌子上。
---パソコンを机の上に置いてください。
他把酒都喝完了。
---彼はお酒を全部のんじゃった。
「把」はお願いの「~して下さい。」うっかりして「~しちゃった。」の2つ使い方が主になります。
否定形
「把」の否定は「不」「没」を「把」の前に置きます。
他没把钱还给你吗?
---彼はあなたにお金を返してないよね?
你不把行李带走么?
---あなたは荷物を持っていきませんよね?
我不想把真相告诉你?
---私はあなたに本当の事を話したくない。
※「不」は未来の意思「没」は過去の出来事の否定に使います。
「不 没 就 都 也」などの不定詞や副詞は「把」の前に置きます。
他都把酒喝完了。
---彼はお酒を全部飲んでしまった。
疑問文
疑問文は、文章のさいごに「吗」を付けるだけです。
他已经把这个发货了吗?
---彼はすでにこれを出荷しましたか?
HSKや中検では、「把構文」の疑問文や否定文の語順を聞いてい来る問題が良く出ます。
目的語を2つ持てない動詞
中国語には文法上の問題で、2つの目的語が使えない動詞があります。
そのような場合に「把構文」を使用して目的語を2つにします。
代表的な動詞に「放在~(~に置く)」があります。
「~に置く」ですので「何か」を「何処に置く」を2つ目的語が無いと文は成立しません。
中国語の文法では、「動詞+結果補語+目的語」の文の後には更に目的語を置く事ができません。
ですので、「把構文」で目的語を補う必要があります。
我+放+在+那支笔+桌子上+了。✖
主語+動詞+結果補語+目的語1+目的語2+過去
我把那支笔放在了桌子上。〇
---机の上にそのペンを置きました。
我+寄放+在+护照+柜台+了。✖
主語+動詞+結果補語+目的語1+目的語2+過去
我把护照寄放在柜台了。〇
---パスポートをカウンターの上に置いた。
请你把那个放在这。
---机の上に座らないで下さい。
「翻译成~(~を翻訳する)」「贴在~(~に貼る)」「写在~(~に移し書く」なども同じです。
他把日语翻译成汉语。
---彼は日本語を中国語に翻訳する。
他把那个贴在黑板上。
---彼はそれを黒板に貼った。
我把那个写在了纸上。
---それを紙に書きました。
※「将」は「吧」の丁寧な書き方で、論文など正式な書き言葉で「把」の代わりに使用されます。
将行李放在寄存处。
---クロークに荷物を預ける。
中国語の発音
中国語の発音は下記を参考にピンインと声調を見るだけで正確な発音ができるようにしましょう。
何時までもネットの発音機能に頼って真似をしていたのでは、中国語を自分で発音できません。
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