「也」の「都」の使い方と違い
中国語の「也」と「都」はいずれも頻繁に使われる単語ですが、それぞれ異なる役割と意味があります。
「也」は「~も」という意味を持ち、話題に関する追加の情報を示します。
一方、「都」は「全て、すべて」という意味を持ち、集合体や範囲全体を強調します。それぞれの使い方を以下で解説します。
「也」の使い方
「也」は、話題に関する追加情報を示す際に使います。英語の「also」や「too」に近いニュアンスを持ちます。「也」は必ず主語の後、動詞の前に置かれます。
我也喜欢吃苹果。
---私もリンゴを食べるのが好きです。
※「也」が「私も」の部分を強調しています。
她也会说中文。
---彼女も中国語を話せます。
※「也」によって「彼女も」という情報が追加されています。
他也很聪明。
---彼もとても賢いです。
※「也」によって「彼も」という意味が付加されています。
我们也去那个地方。
---私たちもその場所に行きます。
※「也」で「私たちも」が追加されています。
猫也喜欢吃鱼。
---猫も魚を食べるのが好きです。
※「也」で猫に関する追加の情報が強調されています。
「都」の使い方
「都」は、全体を強調する際に使われます。英語の「all」や「both」に相当し、複数の要素がすべて該当することを示します。「都」は主語の後、動詞の前に置かれます。
我们都喜欢这本书。
---私たちは皆この本が好きです。
※「都」が「私たち全員」という意味を強調しています。
他们都来了。
---彼らは全員来ました。
※「都」が「彼ら全員」の行動を強調しています。
这两个地方都很美。
---この2つの場所はどちらも美しいです。
※「都」が「両方」を指しています。
孩子们都很开心。
---子どもたちは全員とても嬉しそうです。
※「都」によって「子どもたち全員」が強調されています。
我们都在家。
---私たちは皆家にいます。
※「都」が「全員」を表しています。
「也」と「都」の併用
「也」と「都」は同時に使うことができます。その場合、「也」は特定の対象を、「都」はその対象の範囲全体を強調します。
我们也都喜欢这部电影。
---私たちも全員この映画が好きです。
※「也」で「私たちも」が、「都」で「全員」が強調されています。
他们也都想去旅行。
---彼らも全員旅行に行きたがっています。
※「也」と「都」の併用で、「彼らも全員」が強調されています。
学生们也都参加了活动。
---学生たちも全員活動に参加しました。
※「也」で「学生たちも」、「都」で「全員」が表されています。
这些东西我们也都买了。
---これらのものを私たちも全員購入しました。
※「也」が「私たちも」、「都」が「全員」の行動を表しています。
老师们也都很热情。
---先生方も全員とても親切です。
※「也」で「先生方も」、「都」で「全員」が強調されています。
このように、「也」と「都」はそれぞれ異なる役割を持ちながら、併用することで追加情報と全体の強調を両立できます。
疑問文
你也喜欢吃面条吗?。
---あなたも麺を食べるのが好きですか?
※「也」が「あなたも」という追加情報を含む質問を示しています。
你们都想去哪里?。
---あなたたちは全員どこへ行きたいですか?
※「都」が「全員」を強調し、行きたい場所について尋ねています。
他们也都知道这件事吗?。
---彼らも全員このことを知っていますか?
※「也」と「都」が併用され、「彼らも全員」を強調しています。
否定文
我也不喜欢吃辣的。
---私も辛いものを食べるのが好きではありません。
※「也」が「私も」という否定的な追加情報を示しています。
他们都没去过北京。
---彼らは全員北京に行ったことがありません。
※「都」が「全員」を強調し、過去の行動を否定しています。
学生们也都不明白这个问题。
---学生たちも全員この問題を理解していません。
※「也」と「都」が併用され、「学生たちも全員」が否定されています。
疑問文と否定文においても「也」と「都」の使い方が際立ちます。疑問文では追加情報や全体についての質問を作り、否定文では範囲や特定の対象に対する否定を強調することができます。
「也」と「都」の違いを比較例文で解説
「也」と「都」は、それぞれ異なるニュアンスを持ちます。「也」は追加情報を表し、「~も」という意味を持ちます。一方、「都」は範囲全体や集合体を強調し、「全て、みんな」を意味します。
同じ文脈で使われることもありますが、意味や使い方に違いがあります。以下に比較例文を示しながら解説します。
対象の追加「也」と全体の強調「都」
我也喜欢喝茶。
---私もお茶を飲むのが好きです。
※「也」が「私も」という追加情報を示しています。
我们都喜欢喝茶。
---私たちは全員お茶を飲むのが好きです。
※「都」が「私たち全員」を強調しています。
限定的な範囲「也」と集合全体の行動「都」
他也想去中国。
---彼も中国に行きたがっています。
※「也」が「彼も」という特定の追加対象を強調しています。
他们都想去中国。
---彼らは全員中国に行きたがっています。
※「都」が「彼ら全員」の行動を強調しています。
否定文での違い
我也没看过这部电影。
---私もこの映画を見たことがありません。
※「也」が「私も」という否定的な追加情報を示しています。
我们都没看过这部电影。
---私たちは全員この映画を見たことがありません。
※「都」が「私たち全員」を強調し、否定を全体に広げています。
質問文での違い
你也会说日语吗?。
---あなたも日本語を話せますか?
※「也」が「あなたも」という特定の追加情報を示しています。
你们都会说日语吗?。
---あなたたちは全員日本語を話せますか?
※「都」が「全員」を対象にした質問を作っています。
「也」と「都」の併用
我们也都喜欢这本书。
---私たちも全員この本が好きです。
※「也」が「私たちも」という追加情報を示し、「都」が「全員」を強調しています。
これらの例から、「也」は特定の対象に関する追加情報を示し、「都」は集合体や範囲全体を強調するために使われることがわかります。状況に応じて適切に使い分けることが重要です。
疑問詞+「也・都」での使い方と違い
疑問詞(例えば「谁」「什么」「哪里」「怎么」など)と「也」や「都」を組み合わせると、特定の意味を持つ構文が作られます。
疑問詞+「也」は「何々も~ない」や「どれも~ない」といった否定を含む表現に使われることが多いです。
一方、疑問詞+「都」は「何でも」「どこでも」など、範囲の全体を肯定的に強調する表現に使われます。それぞれの違いを解説し、例文を示します。
疑問詞+「也」
疑問詞+「也」は通常否定文で使われ、「どれも~ない」「誰も~ない」など、全面的な否定を表現します。
谁也不知道答案。
---誰も答えを知りません。
※「谁也」が「誰も」を意味し、否定を強調しています。
什么也没发生。
---何も起こりませんでした。
※「什么也」が「何も」を意味しています。
哪里也去不了。
---どこにも行けません。
※「哪里也」が「どこにも」を表し、行動の否定を強調しています。
他怎么也不明白。
---彼はどうしても理解できません。
※「怎么也」が「どうしても」を意味し、強い否定の意味を含んでいます。
我谁也没见到。
---私は誰にも会いませんでした。
※「谁也」が「誰にも」を意味し、否定を強調しています。
疑問詞+「都」
疑問詞+「都」は肯定文で使われ、「誰でも」「何でも」「どこでも」など、範囲全体を包括する肯定的な意味を持ちます。
谁都可以参加。
---誰でも参加できます。
※「谁都」が「誰でも」を意味し、包括的な許可を表しています。
什么都好吃。
---何でも美味しいです。
※「什么都」が「何でも」を意味しています。
哪里都可以去。
---どこでも行けます。
※「哪里都」が「どこでも」を強調しています。
他怎么都愿意帮忙。
---彼はどうやっても手伝うつもりです。
※「怎么都」が「どうやっても」を意味し、行動の積極性を示しています。
我们谁都认识他。
---私たちは誰でも彼を知っています。
※「谁都」が「誰でも」を意味し、範囲の包括を表しています。
「也」と「都」の違いまとめ
否定の有無:
「也」は通常否定文で使われ、全面的な否定を示す。
「都」は肯定文で使われ、範囲全体の包括を表す。
ニュアンスの違い:
「也」は否定的な制限を強調する。
「都」は肯定的な包括や範囲全体を強調する。
例文の違いを見ることで、「也」と「都」を状況に応じて正確に使い分けられるようになります。
「也」と「都」の違いのポイント
「也」と「都」は、一見似ているように感じますが、文脈や使用目的によって明確な違いがあります。以下に、その違いをさらに詳しく解説します。¥
1. 適用範囲の違い
「也」: 特定の1つの対象に対して情報を追加します。
「都」: 集合や範囲全体に対して適用されます。
她也喜欢喝咖啡。
---彼女もコーヒーを飲むのが好きです。
※「她」だけが他の人に追加される対象です。
他们都喜欢喝咖啡。
---彼らは全員コーヒーを飲むのが好きです。
※「都」が範囲全体を指し、集合の中の全員を対象にしています。
2. 否定形における使い方
「也」: 否定文で「~も~ない」という意味を作る。
「都」: 否定文で範囲全体に否定を広げる。
我也没去过上海。
---私も上海に行ったことがありません。
※「也」が追加情報として否定を示します。
他们都没去过上海。
---彼らは全員上海に行ったことがありません。
※「都」が「全員」に否定を適用しています。
3. 文中の位置の違い
「也」: 主語の後、動詞の前に置かれます。
「都」: 主語の後、動詞の前に置かれる点は同じですが、「都」は範囲を強調するために動詞より近い位置で使われることが多いです。
他也很忙。
---彼も忙しいです。
※「也」が「彼」を中心に追加情報を表します。
他们都很忙。
---彼らは全員忙しいです。
※「都」が「彼ら全員」を対象にしています。
4. 「併用時」のニュアンスの違い
「也」と「都」は併用することで、「追加情報」と「全体の包括」の両方を同時に表現できます。この場合、それぞれの役割が明確になります。
我们也都想参加活动。
---私たちも全員そのイベントに参加したいです。
※「也」が「私たちも」を示し、「都」が「全員」を強調しています。
5. ニュアンスの柔らかさ
「也」: 柔らかく情報を付け足す感覚で使われる。
「都」: 範囲全体を明確に限定し、力強く強調するニュアンス。
她也觉得这个想法不错。
---彼女もこのアイデアは悪くないと感じています。
※「也」はあくまで他者に対する追加情報です。
我们都觉得这个想法不错。
---私たちは全員このアイデアは悪くないと感じています。
※「都」によって、全員が同じ意見を持っていることが明確に示されます。
6. 「具体」対「抽象」の使い分け
「也」: 一部や特定の対象に焦点を当てた具体的な情報を追加する。
「都」: 抽象的な範囲や全体に焦点を当てる。
他也喜欢看书。
---彼も読書が好きです。
※特定の「彼」に注目しています。
他们都喜欢看书。
---彼らは全員読書が好きです。
※抽象的な「彼ら全員」に焦点が当たっています。
以上のように、「也」と「都」は特定の対象や範囲全体をどのように強調するかで使い分けます。これらの違いを意識することで、より自然で的確な中国語表現が可能になります。
話し言葉でのニュアンスの違いと誤用例
話し言葉でのニュアンスの違い
「也」と「都」は文法的には正しく使えていても、話し言葉では微妙なニュアンスの違いが現れます。それぞれの使い方に応じて適切な語調や文脈があります。
「也」の話し言葉でのニュアンス
柔らかさと控えめな感じ:「也」は特定の情報を追加するため、話し言葉では控えめなトーンで使われます。
我也觉得这个电影很好看。
---私もこの映画はとても面白いと思います。
※この「也」は、自分の意見を軽く補足するような印象を与えます。
共感を示す:会話の相手に賛成や共感を示す際によく使われます。
你也觉得她很聪明吗?。
---あなたも彼女が賢いと思いますか?
※柔らかいトーンで共感を引き出すニュアンス。
話題に新しい情報を加える:前の話題に関連する追加情報を付け加える役割を持ちます。
「都」の話し言葉でのニュアンス
力強い印象:「都」は範囲全体を強調するため、話し言葉ではやや力強いトーンになります。
我们都很忙。
---私たちは全員忙しいです。
※「都」が全体を対象にすることで、言葉に説得力が加わります。
強調として使う:範囲全体や集合を強く押し出す場合に使われます。
哪里都可以去。
---どこでも行けます。
※「どこでも」を明確に強調するニュアンス。
「特別ではない」ことを暗示する場合:全体を含むことで、「みんな同じ」という印象を与えることがあります。
这件事大家都知道。
---このことはみんな知っています。
※強調により特別性がなく、広く知られていることを示します。
初心者がよく陥りがちな誤用例と修正例
誤用例1: 「也」と「都」を混同して使う
間違い:
他们也喜欢游泳。
---彼らも泳ぐのが好きです。
(意図:彼ら全員が泳ぐのが好き)
修正:
他们都喜欢游泳。
---彼らは全員泳ぐのが好きです。
※「也」では「彼らの中の一部」または「他の人と同じく彼らも」を意味してしまい、範囲全体を強調するには「都」を使う必要があります。
誤用例2: 否定文で「都」を誤用する
間違い:
他们都不想去。
---彼ら全員が行きたくないです。
(意図:誰か1人でも行きたくない)
修正:
他们也不想去。
---彼らも行きたくありません。
※「都」を使うと範囲全体を否定するニュアンスになり、「1人でも反対」という意味にはなりません。特定の人を含めた否定には「也」が適切です。
誤用例3: 「也」の位置を間違える
間違い:
我喜欢也喝茶。
---私もお茶を飲むのが好きです。(意図したい意味)
修正:
我也喜欢喝茶。
---私もお茶を飲むのが好きです。
※「也」は主語の後、動詞の前に置かなければ文法的に正しくなりません。
誤用例4: 疑問詞との誤用
間違い:
谁也喜欢这个地方。
---誰もこの場所が好きです。(意図:誰もが好きではない)
修正:
谁也不喜欢这个地方。
---誰もこの場所が好きではありません。
※「也」を使った否定文では必ず「不」や「没」が必要です。
ポイント
話し言葉のニュアンス:「也」は柔らかい補足や共感、「都」は強調や全体感を表す。
誤用の回避:文脈に応じて「也」または「都」を使い分けることが重要。文中の位置や否定形での使用に特に注意が必要。
これらのポイントを押さえることで、「也」と「都」をより自然で正確に使えるようになります!
まとめ
品詞 | 「也」 | 「都」 |
---|---|---|
種類 | 副詞 | 副詞 |
意味 | 「~も」:追加情報 | 「全て」「みんな」:範囲全体の強調 |
位置 | 主語の後、動詞の前 | 主語の後、動詞の前 |
否定文 | 「不」「没」の前に置かれる | 「不」「没」の前に置かれる |
「也」と「都」はいずれも副詞として使われますが、意味と役割が異なるため、文脈に応じて適切に使い分けることが重要です。
中国語読み上げ機能の使い方
-
Word利用した中国語ピンイン四声入力と発音の即時読み上げ機能
中国語の勉強をしていてピンインと四声が付いた漢字を書いたり、その漢字の発音を聞く事ができたらどんなに良いでしょう。 自分の回りにいつも中国語の発音ができる人がいればいいのですが、そんな都合のいい方はい ...
続きを見る
中国語の発音
中国語の発音は下記を参考にピンインと声調を見るだけで正確な発音ができるようにしましょう。
何時までもネットの発音機能に頼って真似をしていたのでは、中国語を自分で発音できません。
-
中国語「四声」のポイント~声調を間違えると大変
日本人が中国語の学習をしていて一番苦労する部分が四声です。 漢字一つではしっかりと四声を発音できても、文章になると途端に声調が分からなくなってしまいます。 先生やCDなどの中国文の発音を何度聞いても同 ...
続きを見る
-
中国語の子音の発音
中国語には全部で21個の子音があります。 日本人の馴染みのあるローマ字とは違った発音をしますのでしっかりと理解しましょう。 中国語の子音で日本人が悩む場所も特定されていますので、その部分は特に練習が必 ...
続きを見る
-
中国語の母音の発音
中国語の母音は、全部で36個あります。 日本語は5個ですので、31個更に母音を発音できるようにしなければいけません。 母音は大きく分けて、「短母音」「複母音」「鼻母音」の3つのカテゴリーに分かれます。 ...
続きを見る