中国語「是」の使い方と完全解説
中国語の「是」は英語の「to be」に部分的に対応する動詞で、主に「AはBである」という意味を表します。
ただし、中国語には動詞の活用(時制変化)がないため、過去を表現する際には文脈や特定の語句を補います。
また、「是」は副詞的に使われ、特定の要素を強調する役割を果たすこともあります。
本解説では、「是」の基本的な使い方、否定形、過去の表現(「了」や「是+的」構文)、形容詞述語への応用を含め、体系的に説明します。
「是」の品詞と基本ルール
動詞としての「是」
「是」は主語と名詞述語を結ぶ動詞として使われます。英語の「to be」に相当しますが、形容詞述語には通常使いません。
基本の使い方
主語と名詞述語を結ぶ
他是学生。
---彼は学生です。
否定形は「不是」
他不是老师。
---彼は先生ではありません。
副詞としての「是」
特定の要素を強調したいとき、「是」を副詞的に使うことがあります。この場合、述語の前に「是」を置きます。
強調の使い方
事実や確認を強調
他是昨天来的。
---彼は昨日来ました。
動詞としての「是」の使い方
名詞述語を結ぶ「是」
「是」は主語と名詞述語を結び、「〜は〜です」という文を作ります。
这是我的书。
---これは私の本です。
她是老师。
---彼女は先生です。
否定形: 「不是」
「是」を否定する場合は「不是」を使います。
我不是中国人。
---私は中国人ではありません。
这不是事实。
---これは事実ではありません。
過去を表す「是」の使い方
中国語には動詞の活用がないため、過去を表すには文脈や時間を示す語句を補う必要があります。
時間を明示する
「昨日」「以前」などの時間表現を加えることで、文全体が過去の意味になります。
他昨天是老师。
---彼は昨日先生でした。
那是五年前的事。
---それは5年前のことです。
完了を示す「了」を加える
「了」を加えることで、出来事が完了した過去のものであることを示します。「是」と共に使うことで、特に出来事の完了を明確にします。
他昨天是老师了。
---彼は昨日先生になりました。
※「了」により、出来事が既に起こったことを示しています。
这已经是过去的事了。
---これはすでに過去のことです。
「是 + 的」の構文で過去を強調
「是 + 動詞 + 的」の構文を使うと、特定の行動や出来事が過去に起こったことを強調できます。この構文は、いつ・どこで・誰がなどを明確にしたい場合に用いられます。
他是昨天来的。
---彼は昨日来ました。
※「是」と「的」で「昨日来た」という事実を強調。
我们是坐飞机去的。
---私たちは飛行機で行きました。
※「飛行機で行った」という手段を強調しています。
这件事是他做的。
---このことは彼がやりました。
※行為者「彼」を強調しています。
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形容詞述語における「是」の使い方
通常文では「是」を使わない
形容詞がそのまま述語として使われる場合、「是」を使いません。
他很高。
---彼は背が高いです。
今天非常热。
---今日はとても暑いです。
強調文としての「是」
形容詞述語を特に強調したい場合、述語の前に「是」を置きます。
他是很高。
---彼は確かに背が高いです。
今天是非常热。
---今日は本当にとても暑いです。
形容詞述語の否定形
形容詞述語の否定形を通常文と強調文で比較します。
通常文:
他不高。
---彼は背が高くありません。
強調文:
他不是很高。
---確かに彼はあまり背が高くありません。
通常文と強調文の比較
文型 | 例文 | 日本語訳 | ニュアンス |
---|---|---|---|
通常文 | 他很高 | 彼は背が高いです。 | 客観的な事実を述べる。 |
強調文 | 他是很高 | 彼は確かに背が高いです。 | 背が高いことを特に強調して伝える。 |
通常文 | 今天非常热 | 今日はとても暑いです。 | 暑さの程度を客観的に述べる。 |
強調文 | 今天是非常热 | 今日は本当にとても暑いです。 | 暑さが特別に強いことを強調する。 |
まとめ
中国語の「是」は主語と名詞述語を結ぶ基本的な役割を持ちます。過去を表す際には、時間表現、「是+的」構文、「了」などを活用して文全体の時制を補完します。
また、副詞的に使うことで特定の要素を強調したり、形容詞述語を特別に強調することもできます。
以下のポイントを押さえることで、「是」を正確に使い分けることが可能です:
- 「了」は完了や変化を明示
- 「是+的」構文で特定の過去の出来事を強調。
- 形容詞述語では通常「是」を使わず、強調時のみ使用。
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