中国語の学習をしていますと、「了」が良く出てきます。
とても奥の深い助詞ですが、基本をしっかりと学習しましょう。
「了」の使い方が分かると、中国語の表現力がグーンとアップします。
間違った使い方をしますと、意味が違ってしまいますので注意が必要です。
了は過去形?
日本語に終了と言う言葉がある事から、何となく「了」は過去形だと勘違いしてしまいます。
中国語の動詞には、過去形と言う概念がありません。
中国語で時制を現わすには、動詞以外の部分を活用して過去未来現在を表現します。
その時にいろんな側面から使われると言う意味で「アスペクト」と言う言葉を使用します。
「了」はそんなアスペクト(aspect)を持ったアスペクト助詞になります。
使用場所や使用方法でいろんな時制を表現する事ができます。
「了」は大きく分けて、「アスペクト助詞」「語気助詞」の2つのタイプに分かれます。
更に、「快要」などとの連携で近い未来を表現する事もできます。
アスペクト助詞の「了」
動詞の後に置いて、その動作が実現した事を意味します。
動作の実現と聞きますと、それは完了だから過去ではと思ってしまいます。
ですが、未来に起きるだろう動作にも使用されますので過去ではありません。
アスペクトの「了」にはいくつかの決まり事があります。
- 動詞の直後に置いて、実現完了を現わす。
- 動詞の目的語には必ず数量詞が必要。
- 否定形は「没有」を使用して「了」は消える。
- 動作を現わさない動詞には使えない。
- 了の発音は軽声。
我买了一本书。
---私は一冊の本を買いました。
「我买了书」 ✕とはできません。
必ず数量詞が必要になります。
我没买一本书。
---私は本を買いませんでした。
♠「没有」が付いたので「了」は消えました。
「有」は多くの場合省略されます。
走天我看了一个电影。
---昨日映画を見ました。
明天下了班,我给你打电话。
---明日仕事が終わったら電話します。
♠これは未来の話です。
疑問文
你看了我的跑吗?
你看了我的跑没有?
你看不看我的跑?
---あなたは私のカバンをみましたか?
否定文
我没看你的跑。
---あなたのカバンは見ていない。
「了」を使えない場合
変化や動作を現わさない動詞には、アスペクト助詞の了は使用できません。
下記のような動詞になります。
是、姓、好像、属于、觉得、认为、作为、、
習慣的、継続的は動作を現わす語の入った文には「了」は使用できません。
每天、每年、经常、常常、以前、、
語気助詞の「了」
文末に置かれる「」は語気助詞とよばれます。
新しい状況の発生や変化を現わす事ができます。
語気助詞の「」の決まり事は下記になります。
- 新たな状況の発生や変化
- 「了」は文末に置く。
- 否定には没有を使用する。
- アスペクトの「了」と同時に使用可能
天黑了。
---暗くなってきた。
我今年六十二岁了。
---今年で62歳になりました。
春天到了。
---春になりました。
不得不减肥了。
---痩せなければ。
疑問文
昨天你上班了吗?
昨天你上班了没有?
---昨日あなてゃ仕事にきましたか?
否定文
昨天我没上班。
--昨日仕事に行きませんでした。
「快(要)〜了」
「快(要)〜了」で「もうすぐ~になる」を現わす事ができます。
具体的な時間を現わす単語她は使えません。
火车快要到站了。
---汽車はもうすぐ駅に着く。
他快二十岁了。
---彼はもうすぐ20歳になる。
她快要来了。
---彼女はもうすぐ来るよ。
快要放寒假了。
---もうすぐ冬休みだ。
♠「放暑假」夏休み
「就要~了」
「就要~了」 で具体的な時間を入れる事ができます。
巴士马山就要开走了。
---バスはすぐに発車します。
三月她就要毕业了。
---3月に彼女は卒業だ。
明年我弟弟就要结婚了。
---来年私の弟は結婚です。
「不要~了」「别~了」
「不要~了」「别~了」で「~しないで」を現わす事ができます。
注意不要吃太多了!
---食べ過ぎないでね!
请不要哭了。
---泣かないで下さい。
不要再来了。
---もう来ないで。
别再说了。
---もう話すな。
别吃了。
---もう食べるな。
「了」と数量の関係
パターン①「動詞+「了」+数量」
我学习汉语学了六年。
---私は中国語を6年勉強していた。
♠今は勉強していない。
パターン②「動詞+「了」+数量+「了」」
我学习汉语学了六年了。
---私は中国語を6年勉強している。
♠今も中国語を勉強している。
気分の現わす時の「了」
太好了。
---いいね。
很饿了。
---お腹空いた。
累死了。
---疲れた。
太贵了。
---高いよ。
很美了。
---綺麗だ。
中国語の発音
中国語の発音は下記を参考にピンインと声調を見るだけで正確な発音ができるようにしましょう。
何時までもネットの発音機能に頼って真似をしていたのでは、中国語を自分で発音できません。
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