中国語には全部で21個の子音があります。
日本人の馴染みのあるローマ字とは違った発音をしますのでしっかりと理解しましょう。
中国語の子音で日本人が悩む場所も特定されていますので、その部分は特に練習が必要です。
日本語に無い発音を出さなければいけませんので、その発音ができる口の形や息の出し方をマスターする事が重要です。
中国語の子音
無気音 | 有気音 | その他 | |||
鼻音 | 擦音 | 辺音 | |||
唇音 | b(o) | p(o) | m(o) | f(o) | |
舌尖音 | d(e) | t(e) | n(e) | l(e) | |
舌根音 | g(e) | k(e) | h(e) | ||
舌面音 | j(i) | q(i) | x(i) | ||
そり舌音 | zh(i) | ch(i) | sh(i)
r(i) |
||
舌歯音 | z(i) | c(i) | s(i) |
★スマホは横にスライドでご利用下さい。
中国語の子音は上記の21点になります。
赤で書かれた子音が日本語に無い、「有気音」「そり舌音」「舌歯音」「h」が微妙に違う発音で苦労する子音になります。
他の子音は、ローマ字発音に似ているので比較的簡単に似た発音をする事ができます。
有気音
唇音の「b(o) 、p(o) 、m(o)、 f(o)」の「f(o)」は「英語のFの発音」と同じで、下唇を上の歯に付けて「フッ」と擦る音で発音します。
ここで苦労するのは、「p(o)」の発音になります。
日本語で「ブォ、プォ」と発音して「b(o)、 p(o)」と区別しようと思ってもどちらも「b(o)」と中国の方には聞こえてしまいます。
日本語では全く違う音ですが、中国語では日本語の「ブォ、プォ」はどちらも「b(o)」の発音になります。
何故こうなるのか、ここで決定的に欠けている事が、「有気音」と「無気音」の区別がしっかりと分かっていない点です。
「有気音」と「無気音」の違いは音が出ているか出ていないかではなく、発音の最初に息が多く出ているか出ていないかの違いになります。
「p(o)」は口を閉めて、空気を溜めてから一気に空気を「プッ」と出す破裂音がありそれに続いて「オー」の音が聞こえる感覚です。
「b(o)」は破裂音無しですぐに「ブォ、プォ」が出てくる音になります。
「p(o)」は破裂音が最初に来るので「b(o)」より大きな音になると思う方が多いですが違います。
優しくゆっくりと発音する事が大切でです。
決して大きな音を出す事にはなりません。
空気が最初に噴き出される破裂音が聞こえた音を「p(o)」と中国語では判断しています。
この事を理解した上で、「b(o)、 p(o)」の音を実際に聞いてみると、破裂音がある事が良く理解できます。
「p(o)」は、「プッオー」のように聞こえます。
「有気音」と「無気音」の違いが理解できたら、下記の音も聞き比べてみましょう。
「d(e) t(e)」、「g(e)k(e)」、「j(i)q(i)」
「zh(i)ch(i)」、「z(i)c(i)」
先頭の空気の破裂音が完全に分かるようになりますと、「有気音」と「無気音」の区別が聞き取れるようになります。(^^♪
あなたの発音も綺麗に聞こえてきます。
そり舌音
無気音 | 有気音 | その他 | |||
鼻音 | 擦音 | 辺音 | |||
唇音 | b(o) | p(o) | m(o) | f(o) | |
舌尖音 | d(e) | t(e) | n(e) | l(e) | |
舌根音 | g(e) | k(e) | h(e) | ||
舌面音 | j(i) | q(i) | x(i) | ||
そり舌音 | zh(i) | ch(i) | sh(i)
r(i) |
||
舌歯音 | z(i) | c(i) | s(i) |
★スマホは横にスライドでご利用下さい。
そり舌音の「zhi,chi,shi,ri」は特に日本人が発音できない難しい音になります。
音の感じは「ジ、チ、シ、リ」のような音ですが、聞いて頂くと分かりますが全然違います。
こもった特有の音で、日本語には全く似た音がありません。
そこでまずは発音する時の口の形を作りましょう。
4音とも発音する時の口の形は全く同じです。
「i」が付いていますが日本語の「い」を発音する時のように唇を横に広げてはいけません。
唇は、少し開いて突き出す感じにします。
舌の位置は、舌先を上の歯茎の裏側の部分に上げて平らに付ける感じです。
舌と上の歯茎の間から音を出して、口の奥の方に空間を作る感覚です。
慣れるまでは、上手に綺麗な音が出ません。
こんな舌の形で発音をした事がありませんの初めからできるわけがありません。
自転車に乗った事が無い子供に自転車に乗れと言っても上手に乗れません。
練習をしますと、意識しなくても自転車は誰でも簡単に乗れるようになります。
そり舌音も全く同じで、とにかく練習してこの口の形で簡単に発音できるまで頑張るだけです。
そり舌音の舌の位置を中国の方が解説した動画が沢山あります。
ですが、よく聞くとみんな舌の位置が違っていて混乱してしまいます。
実は、中国の方もそり舌音は得意でない方が多く台湾や南の方ではそり舌をしません。
ほとんど「zi、ci、si」の発音になっています。
中国の標準語ではそり舌音が推奨されていますのでここでしっかりと練習しましょう。
上記で説明した口の形を維持したまま、「zhジ、chチ、shシ」の音を出します。
口の形が上手にできてくるとこもった独特の音が出るようになります。
日本語で「ジ~イ」と長く発音しますと、「イ」の音になってしまいます。
中国語では長く発音しても「zh」のままで決して「iイ」の音にはなりません。
「chi」の音は有気音ですので、最初に破裂音が必要です。
「ri」の音は口の形はそのままで、少し舌を奥の方に移動して喉の奥を震わせて「リー」と発音します。
「ri」の音は、のど奥が震えて出る摩擦音で、日本語では表現する事ができません。
自分の出ている音と、お手本の音が近くなるように練習しましょう。
「zhi,chi,shi,ri」は日本人の耳には「ジ、チ,シ,リ」のように聞こえるかもしれません。
ですが発音するときにそのような意識を持たないようにしましょう。
そう意識した途端,「zhi、chi」は「ji、qi」に、「shi」は「xi」に、「ri」は「li」になってしまいます。
「私は日本人です」を中国語で「我是日本人」と発音します。
これが通じるようになりましたら、一旦卒業できます。
舌歯音(ぜっしおん)
「舌歯音」は舌先を上の歯の裏側に当てて出す音です。
発音はそれほど難しくありません。
ですが「zi、ci、si」を慣れるまでは、「ジ、チ、シ」と発音してしまいます。
ローマ字ではそう読むからです。
実際には、「ズ、ツ、ス」と発音されます。
日本語の発音よりも唇を横に開いて発音します。
唇を横に広げて、「ズ、ツ、ス」と発音します。
特に「ci」は「有気音」ですので最初に息を破裂させる音が必要です。
例えば、「cang」を「カン」と呼んでしまうと間違いです。
正解は「ツァン」になり、最初の音は破裂音が必要です。
「ci、ca」は「チ、カ」と発音してしまう方が多くいます。
「ツ、ツァ」で更に、破裂音が先頭についていますので「c」の音は要注意です。
ちなみに「si」は、数字の四の発音で「四(sì)」と四声で「ス」の発音をします。
「舌歯音」でつまずくポイントは有気音の「c」の発音になりますので、気を付けて発音しましょう。
「zi」の発音は良く使用する発音で、中国語で子供を意味する「孩子(háizi)」などに使用されます。
「ハイズ」と発音して、「ハイは二声でズは軽声」になります。
「h」の発音
「ha」の発音も意識しませんとなかなか上手に発音できせん。
日本語の「は」と違って、最初に喉の奥から空気を破裂させる音がきてから「破裂音→ハ」のような音になります。
「ha」は中国語で一番初めに学習する「你好(nǐ hǎo)」---「今日は」に出てきます。
「ニーハオ」は、2声3声の発音になります。
「hǎo」の部分は喉の奥から瞬間破裂音が出てから「ni2声+破裂音hao3声」と聞こえます。
日本語で「ニーハオ」と言うのとは全く違います。
「he」の発音を聞いていただくと分かりますが、最初に喉の奥の破裂音が出てから「破裂音フー」のようになります。
中国語では、「很hěn」と言う漢字がよくでてきます。
この漢字もよく聞きますと、「喉の奥から破裂音後にヘン」と言っています。
何回も発音を聞いて真似してみましょう。
日本語にはない音ですので、その音が自然に出るようにする訓練が必要です。(^^♪