中国語の動詞の後に付くアスペクト助詞の「过」は、経験を表す事ができる事は良く知られています。
「过」には動作の完了・終結を表す使用方法もあります。
「过」の使い方に付いて詳しく解説します。
終結を表す「过」の使い方
中国語のアスペクト助詞「过」は、経験を表す用法でよく知られていますが、動作や状態が「完了」したことを表す終結の用法もあります。
この「終結を表す『过』」は、日常会話で頻繁に使われるにもかかわらず、学習教材ではあまり詳しく扱われないため、聞き取りや理解が難しい場合があります。
経験の「过」と違い、終結の「过」は「了」と併用されることが特徴で、文中で動作が既に完了していることを強調します。
以下に例文を挙げて、詳しく説明します。
早上你吃过了吗?
---朝ごはんは食べましたか?
※「吃过了」:朝ごはんを食べるという動作が既に完了しているかどうかを尋ねています。「过」と「了」を組み合わせることで「終わったこと」をはっきりと表現しています。
吃过了/还没吃呢。
---食べました/まだ食べていません。
※肯定の答え「吃过了」は「すでに食べ終えた」という意味を明確に示し、否定の場合「还没~呢」は「まだ~していない」という未完了を伝える表現です。
那说的太过了。
---それは言い過ぎだよ。
※「太过了」:行動や言葉が度を超えた(行き過ぎた)ことを表します。強調の「太」と組み合わせることで、過剰さを明確にしています。
我昨天睡过头了。
---昨日は寝坊しました。
※「睡过头了」:寝坊するという動作が過去に完了しており、その結果を述べています。
那个已经过了期限了。
---それはすでに期限が過ぎました。
※「过了期限」:期限を過ぎるという動作が完了していることを伝えています。「已经」によって強調されています。
这点已经说过了。
---その点は既に話しました。
※「说过了」:話すという動作が完了しており、もう一度繰り返す必要がないことを暗示します。
終結の「过」の使い方
終結を表す「过」は、動作がすでに完了したことを伝える表現で、「了」と併用されることが特徴です。
「已经」や「还没」と組み合わせて、動作が完了したかどうかを尋ねたり、その結果を示したりする際に使われます。
否定で答える時には、「没有」を使用して、「还没~呢」で答えるケースが多いです。
晚饭你吃过了吗?
---夕食は食べましたか?
还没吃呢。
---まだです。
※「吃过了」:夕食がすでに済んだかどうかを尋ねる表現。「过了」によって動作の完了を強調しています。
这本书你看过了?
---この本は読み終わりましたか?
还没有呢。
---まだです。
※「看过了」:読み終えたかどうかを確認する表現。「还没有」は未完了の否定表現として自然に使われます。
「过了」には「完了」のようにすでに終わったというイメージがあります。
経験の「过」と終結の「过」の違い
経験の「过」
動詞の後に「过」を置き、過去に経験したことを表します。
「了」とは併用しません。
例文:
我去过中国。
---私は中国に行ったことがあります。
終結の「过」
動詞の後に「过了」とし、動作が既に完了したことを示します。
「了」と併用されることで、動作の完了と結果を同時に強調します。
例文:
我去过中国了。
---私は中国に行きました(もう行き終えています)。
ポイント
終結を表す「过」の特徴
「过了」の形で使用され、動作の完了を強調します。
文中で「已经」や「还没」と相性が良い表現です。
経験との区別
経験の「过」:動作が行われたことを経験的に伝える。
終結の「过」:動作や状態が終わった結果を明確に伝える。
日常会話での使い方
終結の「过」は、日常生活で過去の行動や状況の完了を簡潔に伝える際に頻繁に使用されます。「もう終わった」「済んだ」といったニュアンスを的確に表現できる便利な表現です。
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