中国語の「是 的構文」と「了」の比較
「是 的構文」と「了」は、いずれも中国語で頻繁に使われる表現ですが、それぞれ異なる役割を持っています。
「是 的構文」は特定の情報を強調するために使用され、「了」は動作の完了や状況の変化を示します。
以下では、それぞれの特徴や違いを解説します。
「是 的構文」の特徴と使い方
概要
「是 的構文」は、特定の要素(時、場所、方法、主体など)を強調して述べたいときに使います。基本的な構造は次の通りです:
構造
主語 + 是 + 強調したい部分 + 的
役割
過去の出来事の「いつ」「どこで」「誰が」「どうやって」を明確に示す。
強調する要素を際立たせる。
時を強調する例
他是昨天来的。
---彼は昨日来ました。
※「昨日来た」という時点を強調。
我是去年开始学中文的。
---私は昨年中国語を学び始めました。
※「昨年」という時期が焦点。
这件事是上周发生的。
---この出来事は先週起こりました。
※出来事の発生時点を強調。
場所を強調する例
我们是在图书馆认识的。
---私たちは図書館で知り合いました。
※「図書館」という場所が焦点。
他是在北京出生的。
---彼は北京で生まれました。
※出生地(北京)を強調。
主体を強調する例
这本书是我买的。
---この本は私が買ったものです。
※「私」が買ったという主体を強調。
蛋糕是她做的。
---ケーキは彼女が作ったものです。
※「彼女」が作ったことを強調。
方法を強調する例
照片是用手机拍的。
---写真はスマホで撮ったものです。
※「スマホで」という方法を強調。
我们是坐飞机去的上海。
---私たちは飛行機で上海に行きました。
※「飛行機」という移動手段を強調。
「了」の特徴と使い方
概要
「了」は、動作が完了したことや状況の変化を表す助詞で、主に動詞の後に置かれます。
構造
主語 + 動詞 + 了 + 目的語
役割
動作がすでに終わったことを示す。
状況が新しく変化したことを示す。
動作の完了を示す例
我吃了晚饭。
---私は夕食を食べました。
※「食べる」という動作が完了。
他买了两本书。
---彼は2冊の本を買いました。
※「買う」という行為が終了しています。
我们看了电影。
---私たちは映画を観ました。
※「観る」という行為が終わっています。
状況の変化を示す例
天气变冷了。
---天気が寒くなりました。
※「寒くなる」という状況の変化を示します。
他回家了。
---彼は家に帰りました。
※「帰宅する」という状況の変化を示します。
「是 的構文」と「了」の比較
役割の違い
「是 的構文」:文中の特定の要素(時、場所、方法など)を強調する。
「了」:動作や状況が完了したこと、または変化したことを示す。
例文による比較
時間を強調
这本书是昨天买的。
---この本は昨日買ったものです。(「昨日」を強調)
我昨天买了这本书。
---私は昨日本を買いました。(動作の完了を強調)
場所を強調
我们是在上海见的面。
---私たちは上海で会いました。(「上海」を強調)
我们见了面。
---私たちは会いました。(動作の完了を述べる)
方法を強調
我们是开车去的。
---私たちは車で行きました。(「車で行った」を強調)
我们开车去了。
---私たちは車で行きました。(行為の完了を述べる)
まとめ
「是 的構文」と「了」は、それぞれ異なる目的で使用されます。
「是 的構文」:特定の要素を強調する表現。
「了」:動作や状況の完了や変化を示す表現。
「是 的構文」で是を省略する場合の理解
「是 的構文」では、文脈や話し言葉の流れによって「是」を省略することができます。
この省略によって、文章が一見すると「是 的構文」に見えない場合があります。
そのため、文法を正確に理解し、状況によって「是」が省略されていることを見抜く力が求められます。
省略された「是」の見分け方
文脈に注意する
「是 的構文」は特定の要素を強調するために使われるので、文章全体の意味からその焦点を判断できます。
特に「的」で文が終わる場合、「是」が省略されている可能性があります。
「的」に注目する
「的」は「是 的構文」で強調の終わりを示すための重要な手がかりです。
「的」が存在する場合、その前に省略された「是」を補って考えることができます。
動詞の種類を確認する
「是 的構文」は主に動作の背景や付加情報を説明する際に使われます。
「了」が使われていない場合、「是 的構文」の可能性が高いです。
省略された「是」の理解
这本书我昨天买的。
---この本は私が昨日買ったものです。
※「是」が省略されていますが、「的」があるため「是 的構文」と分かります。
你在哪里学习的?
---あなたはどこで学んだのですか?
※「是」が省略されていますが、焦点が「場所」にある「是 的構文」と理解できます。
他上个月搬到北京的。
---彼は先月北京に引っ越しました。
※「是」が省略され、文脈から引っ越しの時期を強調していると分かります。
这幅画我朋友画的。
---この絵は私の友人が描いたものです。
※「是」が省略され、作者(描いた人)を強調しています。
我们去年认识的。
---私たちは昨年知り合いました。
※「是」が省略されていますが、時期(昨年)を強調していると分かります。
「是」の省略と他の構文との区別
「是」が省略されると、学習者にとっては通常の「了」構文や普通の叙述文と区別しづらくなります。そのため、以下の点に注意しましょう:
「的」が文末にあるかどうか
文末の「的」が「是 的構文」を示す重要な手がかりです。
強調の焦点を探す
誰が、いつ、どこで、何をしたのかという背景情報を強調する構造になっていれば「是 的構文」の可能性が高いです。
過去の行動や状況を述べている場合
過去の出来事や背景を説明している文脈では、「是 的構文」が使われることが多いです。
省略された「是」と他構文の比較
我昨天买了一本书。
---私は昨日本を買いました。
※「了」によって完了した行為を強調。
这本书我昨天买的。
---この本は私が昨日買ったものです。
※「是」が省略され、「昨日買った」ことを強調しています。
他昨天回来了。
---彼は昨日戻ってきました。
※「了」によって行動の完了を示しています。
他昨天回来的。
---彼は昨日戻ってきたものです。
※「是」が省略され、「昨日戻ってきた」という背景を強調しています。
まとめ
「是 的構文」の「是」が省略されると、その構文を見抜くには文脈や「的」の存在を手がかりにする必要があります。
例文を通じて、どの部分が強調されているのかを理解する練習を積みましょう。
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